フィンランドのサウナは、単に体を清潔にするだけの場所ではありません。フィンランド文化の礎となるものです。人口550万人の国に推定330万ものサウナがあることからも、この伝統がいかに深く根付いているかがわかります。
ここでは、フィンランドで見られる代表的なサウナの種類をいくつかご紹介します。
1. 薪サウナ(プーサウナ / Puusauna) これは最も古典的なフィンランドのサウナ体験です。薪ストーブで温められ、本格的で素朴な雰囲気を味わえます。パチパチと燃える火の音、薪の香り、そして柔らかく包み込むような熱が、心からリラックスできる体験を生み出します。フィンランドのサマーコテージで非常によく見られます。
2. 電気サウナ(サヒコサウナ / Sähkösauna) 現代の住宅やアパートのほとんどに設置されており、便利で使いやすいのが特徴です。安定して温度調節が可能な熱を提供するため、都市部で人気の選択肢です。都市部のアパートやホテルで非常によく見られます。
3. スモークサウナ(サヴサウナ / Savusauna) スモークサウナは、最も古く、最も伝統的なタイプのフィンランド・サウナです。煙突がないため、加熱中は煙が室内に充満します。設定温度に達したら煙を排出し、独特のスモーキーな香りを残します。スモークサウナは特別なご褒美と見なされており、深く本格的でリラックスした体験を提供します。近年、人気が再燃しています。
フィンランド・サウナ文化の主な特徴
- ロウリュ (Löyly):熱い石に水をかけて発生させる蒸気のこと。サウナ体験に不可欠な要素です。
- ヴィヒタ (Vihta) または ヴァスタ (Vasta):白樺の若枝を束ねたもの。これで優しく体を叩き、血行を促進します。
- クールダウン:サウナの熱を感じた後に体を冷ますことは、サウナの儀式の重要な一部です。湖で泳いだり、雪の上を転がったりすることもよくあります。
- 社交の場:サウナは家族や友人と一緒に楽しむことが多く、リラクゼーションと社会的な交流の場を提供します。
- ユネスコ無形文化遺産:フィンランドのサウナ文化は、その文化的重要性が認められ、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。
フィンランドを訪れるなら、伝統的なサウナ体験は欠かせません。薪サウナの素朴な魅力、電気サウナの利便性、スモークサウナのユニークな雰囲気、いずれを体験するにしても、フィンランド式リラクゼーションの真髄をきっと発見できるはずです。